第131話
「うわーうわーうわー」
否定ではない歓喜の声である。嬉しすぎると語彙力なんてなくなるのさ。何が嬉しいって次々と机に乗せられていく料理の数々。こんなのを私の目の前に、眼下に、並べられる奇跡!まるでディ●ニーのお姫様になった気分!
美女と野獣の晩餐会思い出すよね!まだ昼だけど!キラキラのわくわくの、お腹がきゅるるるる・・・・・
「ぶふっ、良い音鳴るなぁ!」
ユーグリッドさん乙女に失礼ですよ。激おこ・・よりも食事が我慢なりません。
「腕にヨリをかけまーシタ!」
「作りすぎじゃないか?」
「手元に飲み物はいったかい?では、恵みに感謝を!」
「「恵みに感謝を!」」
「いただきます!お姉さんあれ食べたいです!」
5歳というのもあるけれど、こういう場ではメイドさん達給仕をしてくれる人に頼むのがマナーです。コース料理じゃないから好きなの食べるぞー!アンドレもプントさんが給仕してくれるらしく頼んでいる。
ちなみにメイドさんや執事さん達は調理場の近くの専用の食堂があり私達が食べる前に食事を済ませた人と私達が食べ終わってから食事をする2パターンに分かれて食事をとっているらしい。給仕をする人達は毒味もかねて、どういう味の料理なのかを解説も時々するので先に食事を済ませるパターンの方らしい。
プントさんは今日は食べる時間がほとんど取れてなかったから私達が食事終わってからみたい。取りまとめてる偉い人は食事もままならないのはどこの世界も変わらないよね。仕事が優先。仕方ない。うむうむ。
「こちらは鳥肉の中に炒めた野菜を詰めて長時間オーブンで焼き上げたものになります。あっさりしていますので食べる際にはこちらのソースと共にどうぞ。」
誰かが私と同じ料理の説明を受けてると思ったら目がギラギラしたリネアさんが、ユーグリッドさんの給仕係やってた。リネアさんだーおーい。もぎゅもぎゅお口を動かしながら手をふりふり。私は今リスのようになっているから喋れない。もぎゅもぎゅもぎゅ。
リネアさん手を振り替えしてくれた時は軽くにっこりしてくれたけどユーグリッドさんに目線が戻るとまた目が・・・・。恋する女は恐いなぁ(棒読み)ユーグリッドさんも最初のおふざけどこ行ったってくらい緊張してる。がんば。このお肉野菜の旨味がじゅわじゅわ口に広がってうーまーー。
男性が多いからお肉料理が5種類。さっきのが1つ。もう1つがサイコロステーキみたいなお肉とそれと同じサイズに切ってある大きめの野菜のがゴロゴロした香草焼きっぽいやつ。もう1つがグラタン皿みたいな深いお皿に入っていたラザニアみたいなお肉いっぱいの料理。もう1つが私はインターネットとかでしかみたことない、多分ヒツジ肉とかそういうジビエ系の骨付き肉。塩コショウしかしてないらしい。絶対うまいやつ。最後はみんな大好きミートボール料理。急にほっこりしてしまう。甘口の子供が好きな味。最高か!
全部ちょっとずついただくに決まっていますわよ。おほほほほ!
「フテゥーロちゃんは食べなくていいの?」
「うん!ぼく、わたしはね、このジュースがいいの」
果肉たっぷりのオレンジジュースがパスタ皿みたいなお皿に、吸引力のすごいただひとつだけの掃除機、じゃなくてフテゥーロちゃん。ずごごごごごごごご・・・・・。真剣に飲んでるフテゥーロちゃんから目が離せなくなる。その体のどこにその水分入ってるんでしょうか。ミステリー。
サラダとか一通り食べた。余は満足じゃ。
「デザートはいかがですか?」
「食べたい!です!」
べつばらべつばら!
「本日はピンクプティングです」
なんて?と、思っていたらあっ、ショッキングピンクじゃいのー。マジですかー。食べれるピンク。アメリカンドーナツみたいな色合いの、プルプルプティングが目の前に。プティングはプリンじゃないよ似てるけどね。材料も似てるし名前も似てるけど、いわゆるフレンチトーストのポジション。なのに、あらまぁ、ピンクになっちゃって。
1口はむっ・・・・。お?思ったより甘さがクドクナイ。見た目がスゴいから激甘なのかと思いきや。優しい甘さ。叶姉妹のミカさんみたいにゴージャスだけど優しさ溢れる感じとでもいうのだろうか。
「モナ!こっちのゼリーも食べてみてくれ」
アンドレからおすすめされたのをメイドさんが持ってきてくれた。これはまた、すごい!現代日本ではほぼ見ないであろう、昔ながらの喫茶店にあるゼリーの型から取り出しましたというような、ピーマンのような山の形のモリモリな独特な形!そしてキレイな赤!あっちがミカさんならこっちはキョウコさんだなぁ。華やかな上に口の中がダンスパーティーに早変わり。
というか、シェフ、スゴすぎなんだが?
「トリアンゴロさん、どれもすっっっごく美味しかった~!」
「イタミいりマ~ス!!」
トリアンゴロさんの子になりたいくらいおいしかった!
食事してるだけ。ディオ様書くの忘れた、あははは。
次回は9日予定です