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第126話

『毎晩悪夢を見ているらしいにゃ〜』


ネコちゃんの情報網はスゴイ。ディオさんのことをアンドレが心配していたって話を朝バタバタ準備しながら話をしていたらビャッコくんチームのひとり、アメフリくんがアンドレの周辺の動物たちからちょうど情報収集していたらしく教えてくれた。


まさかディオさんの不安定が睡眠不足によるものだなんて思わなかったけど今は平気そう。思っていたより目の下にもくまらしきものはなさそうだし、少し前のアンドレみたいにげっそりした独特な雰囲気も出てない。


むしろ私とアンドレの早歩きに微笑んで見つめて・・・・見つめて・・・見られ続けてる!!はっ恥ずかしくなってきた・・・・・!!


「モナ、何してる!急に止まるなよ、次はこっちの部屋だぞ!」


頬を赤らめてニコニコしながら館を案内しようとしてくれるアンドレが眩しい。そして年相応というか、8歳にちゃんと見える。可愛いぞこの子。最初の悪口連発男だっただなんてなんかもう私の脳内が作り出した幻だったのでは?と思う程度に霞んでしまった。


友達がいなかったし体も不調だったしで病んでたっぽいからしょうがなかったんだろうなぁ。アンドレからきいた話しか判断基準がないけれど、もしかしたらディオさんも精神的な部分が同じく弱いのかもしれない。イケメンなのは同じだけれど兄弟揃って精神ヨワオも同じとか、これはあれか?王様の血筋がメンタル弱タリアンなのか??


「どうした?行かないのか??」


「モナママ?」


ハッ、考え事して立ち止まる私の悪いクセ。イカンイカン。アカンアカン。タカンタカン、カタンカタン、ゴトンゴトン、考え事列車停車しまぁす。


「玄関キレイでかっこ良かったなぁって思い出してた。」


「そうだろう。さすがモナ。俺と好みが合うようだな」


「次はどこ行くの?」


「ココの部屋だ」


もう着いていたが私が立ち止まってしまっていたせいでドア前で待っていてくれたようだ。近くに待機していたメイドさんがドアを開けてくれた。うむ。予期に計らえフォフォフォフォ(誰。)


「ココはダンスホールだ」


「ダンスホー・・・る?」


煌びやか~なのをイメージしてみたけれどどちらかと言うとなにもないだだっ(ぴろ)い小さな体育館とでもいうのだろうか。


「どうした?」


「キラキラしてるのかと思った」


「集まりが無いときはダンスの練習場として使っているだけだから基本的には何も置かない仕様になっているよ」


ディオさんが説明してくれた。なるほどぉ。私日本に居たときもダンスとか・・・いや、スポーツ全般に興味薄い勢だったからなぁ。


「・・・アンドレもダンス踊れるの?」


一応王子だから習ってそうだな。


「俺は体調崩していたからまだだ。」


「坊ちゃまはこの休暇が終わり次第始める予定でございます」


「お兄様は踊れるぞ。ね!お兄様!」


アンドレの目が輝いた。すかさず乗っかる!


「是非見たいです!」


ふたり揃ってキラキラキラキラキラキラ!


「ええ!?」


ディオさんの驚き照れ顔可愛いです。さすが兄弟。こういうところも似てる。


「モナモナ、先生方はな、こう手を叩くんだぞ」


アンドレが手拍子をタンタンタンタンと始めた。私の脳内が・・・・コーンコーン湖池●スコーン、コーンコーン湖●屋スコーン、カリッとサクッとおいしスコーン!を思い出してしまった。いやもう、アンドレの手拍子がそれに聞こえてしまうちょうど良さよ。この世界にあの味はなさそうだなぁ。バーベキュー味食べたくなってくる。


「・・・こほん、少しだけですよ?」


ヤッター!えっいいの!?ディオさんが踊ってくれるの!


アンドレの手拍子に合わせてディオさんが踊り始める。ディオさんが踊り始めたのは社交ダンスのワルツのようなカップルで踊る振り付けで、相手がいないのにまるでそこに透明な相方の女性でもいるかのように、1、2、3、1、2、3、とダンスホールを滑るように踊った。


私の目がおかしくなったのかと思った。でもひとりで踊っているのに誰かいるように見える。すごい。アンドレが目を輝かせるだけある。語彙力無さすぎてすごいしか出てこない私の脳が憎い。


いいなぁ、ディオさんと踊れる女性はなんて果報者なんだ。子供の姿じゃなかったらディオさんと踊ってみたかったなぁ。この体じゃ身長差ありすぎて無理だもんなぁ。


そうこう考え事をしていたら踊り終わってしまった。ディオさんは私達に一礼した。もう、拍手喝采しかないよね!パチパチパチパチパチパチ!私とアンドレの拍手が力強くホールに響いた。一緒に見ていたプントさんユーグリッドさん近くにいたメイドさんや執事さん達も拍手に加わった。


「どうだ、お兄様は本当に素敵なんだぞ」


「うん!とってもとってもステキだった!」


「そうかい?ふふっ嬉しいな」


はにかむディオさんステキです。


「いやぁホントに優雅でスゴかったです。この街でもたまに祭りとかでダンスしますけどそういうのとは違って俺もみいってしまいました」


ユーグリッドさんのお墨付きいただきました。星、3つです!


「お祭りで踊るの!?どんなの?」


「どんなのって今度見ればわかるだろ。」


「うん?お祭りって昨日アンドレが言っていたやつかい?」







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