第120話
遅くなりました。3月は不定期更新予定です。更新したときが更新の時~。一応3日か4日に1度ぐらいの予定です。すみません。
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砦、騎士の詰所では騎士団長のカメーリャが頭を抱えて悩んでいた。
「駄目だ。見つからなさすぎる。」
「カメーリャさん、お疲れ様です。新しいシフト表もらいに来ました。・・・どうしたんですか?」
「あー。あぁ。そっか今日夜勤クリストファーだったっけな。シフト表は、シフト表・・・、あぁそうだ、そっちの机の上だ。」
「お疲れですね。」
「俺も仮眠室行くかなぁ」
「仮眠も大事ですが自室に戻っては?」
「同じ砦の中だし、階段の登り降りめんどくせぇ」
「それを言ったらおしまいですね~。で、何悩んでいたんですか?」
「モナちゃんのことなんだがな。親も出身地だと思う場所も一切、なにも、ホコリの一欠片も。まっっったく、見つからないんだ」
「まったく?」
「事件、事故、盗賊関連、商人の流通経路とか、キナ臭い噂話だとか、色々調べさせた結果が、今俺の目の前にあるこの書類達だ。」
高さはそんなにないが、薄いファイルが五冊机に乗っている。失礼しますと言いながらクリストファーはファイルの1つをパラパラとめくり目を通した。
「これは年齢層が違いすぎる、これは解決済み。・・・結構遠くまで行かせたんですね。」
「あの子最近はどうだ?元気そうか?」
「ユーグリッドさんが1日に1度、ミギィさんかレフティさんのどちらかと連絡を取り合っているので、私もたまに話を伺いますが、元気そうですよ。」
「そうか。・・・・・んー、あの子、少し不思議じゃないか?」
「なにがです?」
クリストファーはファイルを机に戻した。
「こうまでして情報がないと神隠しの子供じゃないかと思ってしまう。」
「ああ、そういう見方も出来ますね。」
「そういう見方?」
「陰謀論にモナちゃんが当てはまってたら面白いな、と。」
「若い奴らはみんなそんなこと考えてンの?」
「今流行っているんですよ、信じるか信じないかは個人の自由ですし、魔物以外の未知の生物が表れたらどう行動するべきか、なーんて、妄想の憶測を交えた遊びな会議ごっこ」
「俺はパス」
「ははは。早々に流行りなんて変わります。前まではアームレスリングが流行ってましたし、その前は玉つなぎ地名暗記レースとか言うの流行ってたじゃないですか。」
「あー、あれな。なんか歌みたいになってたよな、最後の方。地名も繋げて覚えようとするとあんなに長くなるもんかとびっくりしたもんだ。・・・お前らちゃんと仕事しろよ?」
「ほとんど非番中の人の話ですよ。お酒やギャンブルにいそしむ人と比べたらかわいいものでしょ」
「ギャンブルはともかく酒好きなヤツは多いぞ。・・・今度飲み過ぎの注意喚起期間つくるか。」
「仕事増えましたね。」
「・・・陰謀論はともかくとして、やっぱりこう、ポッと出てきたとしか思えないんだよなぁ。じゃなきゃマックドゥの森に住んでた、とかな?だがそれこそ無いだろ?」
「神隠し。ですか。」
「・・・」
公園内のデボラのテントは昼間の騒がしさなど全くなくなり静けさだけが漂っていた。デボラのテントはそこいらのテントの3倍はあり、カーテンやついたてで区分けされたりしていくつも部屋があった。そのうちの1つに人が集まっていた。
「これはどういうわけだ?」
キジン、セイリュー父、コウチン、ユーグリッド、デボラが集まっていた。
「失礼するべ」
そこにレフティが現れた。肩にネズミを乗せていた。
「なんだ、アンタも来たのか。」
「来たんじゃなくて呼び立てたのはアタイの方なんだ。朝からこのネズミに言われるがまま、デボラさんを訪ね、キツネとタヌキの隠れ家を見つけ、そこのキジンさんとやらに各所に伝達してもらった。」
「今日はやたらと忙しかったけれども、面白い話が聞けると聞いたんでここを貸したんだよ。」
ユーグリッドにデボラが話しかけた。デボラとは何度も顔を会わせているがそのニヤリ顔はいつもはあまり見ないもので嫌な予感しかしなかった。
「ほとんどがはじめましてだな。アタイはレフティ。ともだち食堂の女だ。集まってもらったのはほとんどがモンスターだ。アタイが人間だから集まらねぇと思ってたんだが来てくれて感謝する。」
レフティがそう話している時の雰囲気を見て、ユーグリッドは昔から知っているデボラよりも、光るキツネや独特な雰囲気のタヌキになぜか安心感を覚えた。デボラの眼光が光った気がしたからだ。そのデボラからひと言。
「本題を早く聞きたい」
「んだなぁ。時間もったいないねぇし、言うべ。」
肩のネズミをむんずと掴み前に掲げた。
「ゲンブ、喋ってくれろ」
「私はジャンゴリラハムスターのゲンブ。これから話すことは、今後起こりうる未来を話します。サルの他にゴリラ、カラス、ヘビ、そして一部の人間。これらがこの街を混沌とさせるのです。」
むっちりもふもふしたハムスターのゲンブはレフティの手元でこれから起こるであろう未来を話し始めたのだった。
「モナママあのね。」
そういって真っ白もふもふの塊のケセランパサランこと、フテゥーロは昼間気になったことを話し始めた。
「・・・魔王って男の人?」
「そうだよ」
「・・・・」
「まさかとは思うけど、フテゥーロちゃん、その魔王って・・・アンドレが、大人のアンドレがなっちゃった姿だったりしない?」
「うん?えーと、えーと、??アンドレってあの男の子だよね????」
フテゥーロはポヨポヨと考えはじめた。なぜならモナは小さくなってもモナだと認識してはいたが、それはモナが母親になるはずだった大切な人だと重要視していたからきちんとモナとしてみていたからであって、アンドレ自体あまり興味がなく、魔王はとても怖いものとして見ていたので、フテゥーロには同じ人物かもしれないと考えてなどいなかったのだった。
「そういえば、目の色も髪の毛の色も、同じかも???」
フテゥーロは今始めて気がついた。そういえば、似てる。そういえば、大きくしたら魔王の顔かもしれない。と。
「ま、魔王、魔王がぼく、わたしの近くにいたの!?魔王!?いたの!?ばびゅわぁぁぁあぁぁぁ」
「フテゥーロちゃんが!」
「うわぁ!?どうしたの!?」
テンクウちゃんが部屋に入ろうとしていた所に大泣きのフテゥーロちゃんを目撃。
「うわぁ!?どうしたにゃ!?」
そこへビャッコ達も窓からこんにちわの、フテゥーロちゃんの大泣きを目撃。
あっという間に混沌と化したのだった。