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第119話

その頃モナの部屋ではヒツジのタイモとウサギのリクゴウが話していた。


「進化?」


「ピィピィ」


「アタチは最初から喋れたのよ。進化じゃないのよ。」


「ピィ」


「悔しそうね。」


「ピィピィピィピィピィー。ピピピィピィ」


「ふぅん、学者先生が研究で。アタチ達の仲間も実験されたのかちら。」


「ピ。ピピピピピピピィピィピィピィピィピィ」


「そう。でもリクゴウさんが見てなかっただけかもなのよ?」


「ぴ。」


「・・・・」


「・・・・」


「ごめんなさいなのよ。仲間が近くにいて羨ましかったのよ。」


「・・・ピィ。」


「進化するならすればいいと思うのよ。」


「ピピピィピィピピ。」


「そのピーピー聞かなくなるなら応援しちゃうわ。」


「ンピー!!」


「ウサギの攻撃なんてこのアタチの毛にかかれば無いも同然なのよ。」


2匹がわいのわいのしている橫で白いウサギは部屋の端で目をつむって時が過ぎるのを待っていた。







「セイリュー」


「キュン?」


タヌキの住みかであるその土地でキツネ達も落ち着く場所を決めたあと、皆たっぷりと睡眠をとり夜行性の彼らはそろそろ起きなければと活動を開始し始めた。


セイリューの父はまだ母の温もりに包まれたセイリューに話しかけた。


()の人に助けられた恩を返すには、ありがとうの言葉だけではいけないよ」


「きゅん?」


セイリューは首をかしげたが、真剣な眼差しの父親の態度を見て、かしげた首をすぐにまた戻した。


「そして強くならねば。セイリューを襲った(むし)はあの話題のサル達にやられたものだとわかった。そして昨晩、コウチンが帰ってきて教えてくれた。サルだけではない。まだいる。大きな敵が。」


セイリューはキョトンとした。


「あの子が追い払った時より大変なことが起きるかもしれない。私達もタヌキ達も逃げて隠れることが当たり前になってしまっていた。しかし早いうちにそう逃げていられないかもしれない。」


「・・・・きゅん」


「セイリュー」


「きゅん?」


「古代語で清らかな流れの意味を持つ子よ。助けてくれたあの子を守る力が欲しくはないか?」










「あー、足が棒になるぅ」


「ただいまぁ」


からからとミギィさんが笑いながら家のドアを開けつつ私の言葉に対して楽しそうにただいまぁと返してくれた。ミギィさんのこういうとこ好き。


「あれ?レフティさんいないや」


アンドレとまたあしたねとお別れしてすぐ帰ってきた。アンドレの所の若い護衛さんが完全なる荷物持ちになって最後の最後に足が生まれたての小鹿になる前に馬車まで戻れて涙出そうになってた。あっはっは。アンドレ、買いすぎ。


レフティさんは、なんの用事で出掛けてるんだったっけ。小鹿プルプル的なことは起きてないといいな。


「2階行くね」


「クゥン」


「モナママ、ぼく、わたしも~」


「テンクウは食べてから上がりな」


「フテゥーロちゃんお腹すいてないの?」


「おやつ食べすぎた」


てへぺろ☆顔をしている。そういえば、このくらいの時間だと完全におやつの時間だなぁ。私はお昼にいっぱい食べちゃったからお腹空いてないや。


「ワフッワフッ」


「待ってるから後でね、テンクウちゃん~」


いつもならセイリューちゃんが起きる時間だ。もう家族のところに行っちゃったからいないけど。部屋に今いるのはタイモちゃんとウサギさん達。何してるかな。暇すぎて寝てるかも。


「ただいま~」


「ま~」


フテゥーロちゃんが私の後に“ま~”だけでただいまを表現。およ?


「なにしてんの?」


「ピィィィィ」


タイモちゃんの羊毛のど真ん中から茶色いウサギの足が生えててそこからピィィィィと声が聞こえる。なにこれ。


「ぬけなくなったからとってください。アタチとっても迷惑。」


めちゃんこムッスリイライラしてしまっている。


「なんでこうなったの。わはは。いぬがみけ~、の大根引き抜き~~」


両足を片方ずつ引っ付かんで、ズボォとぬいてあげた。ずいぶんと逆さまになっていたようでリクゴウくんは頭に血がのぼったみたい。床に下ろしてあげた。


「笑い事じゃないです。アタチコイツキライになりました」


「ピィピィ!」


(われ)もって言ってるよ」


うん。フテゥーロちゃんの通訳ありがとう。通訳なくてもイントネーションで何となくわかったけど、そうか。君の一人称、(われ)なのか。渋いな。


「モナちゃん、あのね。コイツ昔、学者先生って人と暮らしてたって話してたのよ。」


「ほえー。」


「ピィピィ!」


「コイツその人に帰したほうがいい。アタチの近くによらないで。」


「えー。よっぽど嫌われて、あらまあ。んー。・・・学者先生って人と一緒にいたのってどのくらい昔なの?何年前?」


「ピピーピィ」


「わかんないって、モナママ」


「どんな顔の人?年齢は?」


「ピピィピィ、ピピピピ。ピーピピピィピピピィ」


「メガネでピョロピョロ、あとは知らないわからない。だってモナママ~」


「ピィピ・・・」


「ピョロピョロじゃなくて細いって意味のひょろひょろだと思うよ、フテゥーロちゃん。」


「ピョロピョロじゃないの?」


「ピ。」


「ピって言ってるよ~」


「ピィピピピ!」


「ほら抗議が始まったようだよ」


「ピョロピョロかわいいのに~。」


踊るヒット賞あげるからピョロピョロはやめたげてフテゥーロちゃ~ん。


「ピョロピョロ探すのよ!」


あおるタイモちゃん。


「学者先生の名前はわかる?」


「わからないって~」


ムリ過ぎますけど探した方がいいですか。


次回は3月3日です。早速ずれ込む。


お主に力を授けよう!の展開って好きです。簡単そうに言っといてめちゃくちゃそのあとしごかれる主人公とか、笑っちゃうけど応援したくなるよね!セイリューちゃんには一体何がどうなることやら。




そろそろ花粉症の季節ですね。家のこたつしまわなきゃなぁ・・・・。




おやつの時間帯ってアフタヌーンティーでよかったよね?ブレックファスト、ブランチ、ランチ、アフタヌーンティー、ハイティー、ディナー。この手の話をテンクウちゃん置いてくところに入れようか迷って結局入れなかった。おやつでいいよ。おやつ。


テンクウ「おやつ!ごちそうさまでした!」


ではまた次回。

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