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第117話

「えっともだち食堂!?」


骨とスネ亭の店長さんの声がうわずった。ミギィさんとレフティさんのお店は有名らしい。商店街からは離れてるしどちらかと言うと住宅街に紛れる食堂と言ってもいいくらい。毎日毎日お客さんが絶えないのはあの食堂が愛されている場所だってことなんだ。


「弟子にしてください」


「弟子なんざ取ってねぇしこの店もあるべ。あんたはもうプロの料理人なんだから胸張って生きな」


「ありがとうございます!これからも精進します!」


革命児コールされてる時より嬉しそうにしていた店長さんの顔は素敵だった。お腹が満たされたので私達は骨とスネ亭を後にした。もうとくに買うものもなかったので帰路につくことにした。


そのころ避難所として解放されている中央公園の1角に熊獣人達が集まっていた。動くデディベアのような子熊達が獣人の親達に物申していたのだ。


「あのダンスのお姉ちゃんに会いたい。またねって言ってからもういっぱいいっぱいまいにち過ぎたよ。またダンスしたいなっ」


「ぼくもぼくも」


「あたちもあたちも」


「またっていつぅ?」


「うーん、困ったな」


「相談しに行きましょうか」


子熊達は踊りを一緒に踊ったモナのことを忘れられず次いつ一緒に遊べるのかと親を困らせていたのだった。


公園を出れば今ちょうどモナ達が商店街付近にいることがわかるのだが、ここにいる誰も知るよしもなかった。大人達は子供達をなだめてモナのいる場所を訪問したと聞かされたデボラのもとへ向かうのだった。


そんなデボラの元には冒険者達が来ていた。薬草採取の件で改めてみんなで訪れていた。


「薬草ありがとう。とても質のいいものをそこの子から受け取ったよ。」


「また何かあれば言伝てを下さい。まだ少しの間はこの街に滞在予定ですので仕事がひとつでもあれば嬉しい限りです」


リーダーのマジーニがデボラの目を真っ直ぐ見て言った。獣人を苦手とする人間も中にはいるのでその真っ直ぐな性格をデボラは好いている方だった。


「冒険者ギルドがないから、日銭稼ぐのも苦労するけど、デボラさんが依頼してくれて助かりました」


マジーニの隣でシャケノミーがお礼を言った。


「ところで子供がさらわれたとかいうのはどうだったんだい。その様子だと見つからなかったかい。」


「はい。お察しの通りです。」


ユウージオが話を続けた。


「高度な魔法で子供を隠されてしまったか、もしくは私達が幻覚作用のある高度な魔法を集団でかけられたか、だと思いますが、答えには至っていません。体に魔法がかかっていたとしてももう時間が経ちすぎて砂や煙よりも分析不可能になっています。」


「ふむ。難儀だね。」


「領主様の所や役所では、居なくなった子供の報告は今のところ上がってきていないそうです」


「こっちの子熊達も居なくなった子は居ないねぇ。・・・ん?なんだい騒がしいね。」


デボラのいるテントはそれなりに広いがそんなことも忘れそうなぐらいガヤガヤと人が多く集まっているのが感じとれ、デボラがいぶかしんだ。


「デボラ婆さん今いいですか」


「来客中だよ。後に出来ないのかい。」


「子熊達がデボラ婆さんに会いたいと集まってきてまして。」


「あん?どうしたんだねぇ?」


「報告は済みましたので私達はこれで。」


「そうかい?急がせたみたいですまないね。代わりにまた依頼寄越すからよろしく頼むよ」


「ありがとうございます」


「あざます!」


「ではまた」


「また来ます」


「それではまた。」


冒険者達がテントを出た後すぐに子熊とその親達がわらわらがやがやとテントに入っていった。


「デボらおばぁちゃぁぁん」


「あのねあのね~」


「「「モナちゃんにあいたぁぁい」」」


(モナちゃん?)


マジーニはどこかで聞いた名前だなと一瞬思いそこから立ち去ろうとしていた足を止めた。


「どしたの?マジーニ?」


マジーニは近くにいたデボラのテントに用のない熊獣人に声をかけた。


「すみません、お聞きしたいのですが・・・」








アンドレとお喋りをしながらの帰り道、ミリーちゃんとユリーくんとの出会いを話していたら、そうだ!と急に思い立った私。


リーリーさんのところへ行こう!


ミリーちゃん達のおばさんのリーリーさんが作るアクセサリーやら雑貨はとてもスゴくいいものだ。クズの宝石を加工したりほんとのほんとにスゴいんだから。


王族ないしそれに関わる人達に目利きしてもらえば、通常のリーリーさんの値段設定がおかしいってキチンと気づいてもらえるかも!と思ったのだ。


「ミギィさん、アンドレ。あのね、まだ行きたい所あったんだけど今から行っていいかな?」


報告・連絡・相談!ホウ!れん!ソウ!急なことだから言わないとね!ミギィさんは構わないそうだ。アンドレはアクセサリーはもう私がくれたやつで充分だと言っている。


「アンドレっお願いっ」


一生のお願いとまではいかないけれど、アンドレには是非に見て欲しい。


「坊っちゃま」


「そこまでいうなら、うん、わかった。モナのためだ。行こう。」


よっし、待ってろリーリーさん!・・・またミリーちゃん達と会うかもなぁ(笑)

次回は26日予定です

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