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ブクマ300人越え感謝記念SS!<゜)#)))彡

ブックマーク300人越えました。ありがとう!な、感謝のショートストーリー。感謝なので、いつだそうか迷っていたお話をのせのせ。


金魚のボスとスズメのスズちゃんのお話。


スズちゃんの一人称「スズはね、スズだよ!」と名前を発していくパターン。


スズはね、スズちゃんって呼ばれたの。それまでは同じ仲間達と一緒にいつも飛んだりゴハン食べたり水浴びしたりするときは、キミとかアナタとかしか使わなかったけど、人間の女の子達がケガをしたスズを拾って、スズちゃんってつけてくれてからスズはスズちゃんになった。


「スズちゃんがね元気になったよ」


「そうか!前にも言ったように元気になったら外に放してあげるんだぞ。野生は野生に返した方がいいからな」


「はーい!」


2人いた女の子のうちの1人がスズを守ってくれた。でももう実は体が言うことをきかない。だけどお礼がしたくて、女の子の笑顔が見たくて元気だよって元気な振りをした。


スズはたぶんもうすぐ死んでしまう。そんなことわかっていた。そんな時。女の子もその家族もいないのを見計らったように息を引き取りそうなそんな時、スズの近くの水槽から声がした。


四角くそれなりに大きな水槽がそこにあったのは覚えているがもうスズは体を起こせない。


「なあ」


「ん?」


「こっちこっち。ってもうすぐ天に召されそうだな。声だけでも聞いてくれや。俺ぁボスってぇ名の金魚だぁ。スズメさんよぉ。」


「スズはスズだよ。金魚のボスさん。なにか用?」


「実はな俺もそろそろ寿命で天に召されるんだよぉ。おめぇも俺もいっちまうのさぁ。」


「ふぅん。そうなの。」


「俺はな金魚だけどかなり長生きさせてもらったんだ。祭りの出店の金魚でな、体力なんざ失くなっちまっててあっという間に死ぬ運命だったんだ。でもこの家に来たらな元気になって今やこの体格よぉ。すげえだろう。」


「ごめん、見えない」


動きたくないんだもの。


「すまねぇすまねぇ。金魚にしちゃデッケェんだ。鯉って魚知ってッか?そんくらいデケェんだ。」


「わーー、でかぁー」


「覇気が無さすぎて棒読みたぁ、笑えるな。ふむ。お前さん、俺と違ってケガが原因で死にそうだろう。」


「うん、そうだね。お腹にケガをおってる。痛みで今にも気絶しそうだよ」


「よく喋れんな。すげぇな。俺そんなんなったらぜってぇ浮くわ。ぷっかぷかにな。でな、話戻すけどよ、俺結構長生きしたんだわ、寿命で死ねるなんてすげぇことだなって思える程度にな。」


「よかったね」


「ただひとつ良くないことがあるんだぜ」


「どういうこと?」


「あの女の子いるだろ」


「うん」


「俺ぁ長生きしたせいなのか、あの女の子に不吉な影が見えちまってるんだよ。そして今後、それを確認できない、見守れない。なぜなら天寿を全うしてしまって魂が減りすぎてしまっているから俺ぁ死んだ瞬間に完全に消滅しちまう運命にあるんだ。」


「不吉な影?気のせいじゃないの?」


「いいや、あれは確かなものだ。ただ今はとても薄い。消えればいいんだが、もし濃くなったりでもしたら、あの女の子は死ぬよりも大変な苦痛を生きながらに味わう可能性がある。」


「・・・」


「助けたいんだ」


「そんなこと無理だし、どうしてあの女の子にこだわるの?ただの飼い主の1人でしょ?」


「あの子からパワーを分け与えてもらって俺もお前も延命してんだぜ。あの子は気づいていないけれど、キズを治す力もないけれど、周りの生き物に活力を自然と振り撒いている。だから俺ぁこんなにでっかくなっちまったのさぁ。お前もキズがなければ今頃ちゃんと復活出来てただろうよぉ。」


「そんなことって、ありえないよ。だってスズはもうすぐ死ぬよ。全然わからないよ。嘘にしか聞こえないよ。」


悔しさしかにじまない。生きられた可能性があっただなんて信じられないからだ。


「お前の魂はほとんどすり減ってない。俺にはわかる。お前はケガさえしなければまだまだ生きられた。消滅しちまう俺が言うのもおかしな話かも知れねぇ。初めて話した相手なのにって思うかも知れねぇ。だけどお前にしか頼めねぇ。スズさんよ。頼みがある。お前が死んだらその魂、あの女の子の守護霊として残っちゃくれねぇか」


「しゅごれい?」


「守護霊ってぇのはな、あの子を陰ながら守る魂のことだ。俺がなりたくてもなれないものだ。俺ぁ消えちまうからな。」


「消えないでなれるかもしれないじゃん。スズはやだよ。急に言われても無理だよ。」


「お前なら出来る。お前にしか出来ない。お前にしか・・・・頼むことはできないんだ。」


真剣なボスの声にスズに涙が溜まっていく。スズもボスも共に死が近いのだ。どんなに元気に喋っていてもスズにもわかった。ただわからないのは、ボスがもつ女の子への想いだけだった。


「静かになったな。死んだか?」


「まだだよ。もうっ、考えてたの。・・・うっ」


「あっおい、大丈夫か」


「ハァッハァッハァッハァッ・・・もう時間が無さそう」


「・・・・すまん。やっぱり忘れてくれ。消滅、しないように俺ぁ頑張ってみるよ。」


「・・・・む。頑張るっていうなら、最初からそうしてよね。スズ、悩んだのが馬鹿みたいでしょ・・・うん、しょっと」


「お前、動いて大丈夫か?」


「最後に話をしたボスの顔見てから死にたかったから」


水槽がそこからよく見えた。水槽は大きかったがボスの体が大きすぎて明らかに狭そうだった。ボスの顔には死相が見えた。声だけ聞いている分にはすごく元気に聞こえたのに、ボスはスズよりも死にそうだった。生きているのが不思議なくらい。


ボスが自身が死ねば魂が消滅すると言っていたのは本当なのだろうと思う程度には生きていることが不思議だった。スズはボスの顔なんか見ないで死ねば良かったと後悔したがもう遅かった。


「スズってほんと、バカなんだよ?」







『あーあ、幽霊になっちゃった』


「お前ぇ、残ってくれるのか」


『うん、頑張ってみるんでしょ?一緒に守護霊やろうよ』


「できたら、いいなぁ。お前ぇとなら楽しそうだなぁ。」







その数日後。


『頑張るって言ったのに』


『楽しそうって言ったのに』


『スズもバカだけどボスもバカだよ』


頑張っても出来ないことはある。水槽はただのガラスケースになっていた。


『ボスのやりたかったこと、その1』


『魂が消えない』


『ボスのやりたかったこと、その2』


『テイマモナちゃんの守護霊になる』


『ボスのやりたかったこと、その3』


『あの子の悪運を立ちきる』


『ボスのやりたかったこと、その・・・・ 』


4、5、6、7、と続くのだがそれを知っているのはこの世でスズただ1匹になったのだった。


『ボスの夢なんてスズが全部やっちゃうんだからね。』


バタバタと足音が家に響く。


「お母さーん、行ってきまーす」


今日も女の子は学校に行く。そしてその肩にスズは乗るのだ。その子の笑顔が見たかったから。

次回分は明日更新です。モナは、行ってきますだのちょこっと出たけどまあ、出てないのとほぼ変わらんので、明日更新です。本編に戻ります。


スズちゃんもモナの力が復活してくれればもうちょっと出番あるはずなんですけどね。あっはっは。


ボス「俺の出番はぁもうこれで終わりかい?つまんねぇなぁ。もっと生きたかったぜぇ」


スズ「この本編の外なら出てきてもいいんじゃない?いいよね?」


モナ「良さそうな気がする!」


ディオ「いいのだろうか?」


テンクウ「ボクもボスといっぱいお喋りしたーい!もっとちっちゃい知らないモナちゃんのこと教えて~」


アンドレ「なにっ、それは気になる」


ボス「いやぁそれは“ぷらいばしぃ”っつーもんでモナを守ってやんねぇと」


モナ「ほれてまうやろ~ボスってこんなに漢気あったんだねぇ」


アンドレ&ディオ「「!!」」


ビャッコ「ヒーローの立ち位置に危機が迫ったようだにゃ~ケケケケケ」


アンドレ&ディオ「「あわわわわわ」」




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