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第110話

茶色のウサギくんの名前はリクゴウくんというらしい。白いウサギちゃんは名前がないらしい。ビャッコくんとテンクウちゃんの通訳でわかった。フテゥーロちゃんは沢山泣いたからかベッドの枕元で睡眠中。ちなみにタイモちゃんは首輪はいらないそうだ。


茶色のウサギのリクゴウくんは火山ウサギというモンスターだという。別段体が熱いとか無かったけどネコのカラスキくんの不死鳥(フェニックス)(キャット)も押さえれば熱さは無かったしそう言うものなのかもしれない。


「ピィピィピィピピーピィ?」


「テイマーなんだろ?って言ってる」


テンクウちゃんが通訳してくれる。モナの独断によりテンクウちゃんの通訳がこの後ルビになっております。ご了承ください。うん。映像なら字幕があると便利だよね!


「違うよ」


ピィピピーピィ!(そんな馬鹿な)ピィピィピィ(こんなに)ピピィピーピピ(モンスターを)ピピィピピィピ(従えて)。」


「そんなこと言われてもなぁ。私従えてるんじゃなくって友達になってるだけだよ?」


ピピィピピィ(友達だと)!?」


リクゴウくんが固まった。どした?


ピ!ピピィピピィ(あ!思い出した)ピィピーピピピィ(お前が例の)ピピィピィピピピ(子供さんだな)!?ピィピィピィ(ふむふむふむ)ピピィピピィ(犬にネコに)ピピィピィピーピ(なるほどな)!」


「何がなるほどななんだろう??」


ピィピーピピ(お主噂に)ピィピピピピ(なっていたぞ)


「噂?誰に?」


ピピピピピ(そこら中)ピピピーピピィ(のモンスター)ピィピィピィピピ(みんながしてる)


「そんなばかな~」


ピピーピィピィ(嘘言ってどうする)


「ええええええええええええええええ」


「にゃんだ、知りゃにゃかったんですか?」


「噂のマトだぜ?」


コエキちゃんとビャッコくんのフォローが入ってしまった。マジのようだ。ビャッコくんの説明によると逃げおおせたサルが“子供に負けてしまった”と言っていたのを聞いた他のモンスターがいて拡散されたとかなんとか。モンスターも人間と同じで噂好きなんだね。マジかー。


ピィピィピピー(噂を聞きつけ)ピピピピピピーピィ(森から来たのである)ピピピピピピィピィ(あの面倒くさい)ピーピィピィピピー(サル達を倒した)ピピピーピ!ピピィ!(素晴らしい!是非!)ピーピピピピピー(仲間になりたい)


「仲間・・・」


イマココがSNSだったなら「(*^o^)/\(^-^*)ナカーマ!」って書くところだ。


「うーん。セイリューちゃんと違って一応大人、で良いんだよね?」


「白いのも茶色のもオトナウサギですニャー」


「私はここにみんなが居るのは構わないよ。こういうの初めての経験だから楽しいし。テンクウちゃんとビャッコくんはどう思う?」


「ボクはいいよ!」


「俺様は嫌だにゃ!」


ピィピィピィ!?(なんと!?)ピピピーピィピー(おのれ敵はネコ)ピィピィピピピー(だったのかー)


リクゴウVSビャッコになっている。どうどうどう。


「じゃ、保留で!明日じゃなくてまた今度買いにいく時に考えよう。出会ったばかりで気が変わるかもしれないしね」


ピィーーピ!?(がぁーーん!?)


「ふふん!良い働きを見せれば認めてらにゃいこともないがなー」


「おやびん格好良いー!」


「白いウサギちゃんもそれでいいかな?」


プイッと顔を反らされた。どうでも良さそうである。


「さ、みんな寝るよ~。ロウソク消すからね~~。」


ランプの火を消した。










モナは夢の中を彷徨(さまよ)い歩いていた。子供の体のまま、ぼやっとした真っ暗な空間でなんの目的があるかもわからずただただぼおっと歩いていた。


目の前に光が見えた。その光もぼやっとした光だった。その光を見て一度立ち止まったが、光へと歩き出した。再び歩き出すと徐々に体は成長を始めた。


身長が伸び髪が伸び大人になった。子供の体の時は寝る時のパジャマだったが大人の姿になると、メガネをかけパンツスタイルのスーツを着ていた。肩掛けのバッグを持ち、ただただ光へ歩いていた。


光がまた止まったので大人の姿のモナも止まった。光がその場で強く瞬いたかと思ったら、人の姿に変わっていった。その光が足元までの長く強いウェーブがかかった白金の髪の女性に変わると、モナはまるで今、目が覚めたばかりかのように目を開いた。


白金髪の女性の姿はシルクのような艶めきを放つギリシャ神話に出てくるような服を身に纏っていて耳には何かの牙で出来たピアス、頭には(ツル)で編まれた草の王冠。腰には三日月型の短剣。


チグハグなようでいて纏まりのある不思議な様相だった。


そしてモナの方を寂しげに見つめていた。


モナは口を動かした。しかしパクパクと動くだけで声が一向に出ない。


目の前の女性が(ほほ)1滴(ひとしずく)の涙を落とすと女性はモナを見ていた目線を自身の足元に変えた。モナは驚いた。女性の足から光の粒になって消えていっていた。


モナは女性に近づこうとしたが、足の裏が地面に縫い付けられているように動けなかった。彼女が光となって消えるのを見ているしかないのかと唇を噛みしめた。その時だった。


まぶたの裏で、奥底から蘇ってきた記憶の欠片がモナへと襲いかかった。


『助け・・て欲・し・い』『滅びの・運・・・命』『・・は無力』『戦いは続く』『尊きは・・・』


全て白金髪の女性の言葉だった。今ではない。これは過去の記憶。


え?


そして気づけば目の前にいたはずの彼女は完全に消えてしまっていた。消える直前のたった一瞬、鈴のようなチリンという音がモナの耳に入った。


「そうだ。私はあの人にこの世界に連れてきてもらったんだった」


足の呪縛は解けていた。






モナはガバッとベッドから起き上がった。今の事をメモとペンで書かなくちゃ、書かなくちゃ、忘れちゃいけない、だから、ペンとメモ、ペンとメモ・・・・・


「モナママ?どしたの?」


「顔が青いにゃ、怖い夢でも見たのかにゃ?」


「すぴーすぴー」


「フスフスフス・・」


「モナちゃん?」


「スゥ・・・スゥ・・・」


「あれ、えっと・・・・・・なにか書かなくちゃと思ったん・・・・だけど・・・・・・。忘れちゃった。えへへ・・・・。うん多分怖い夢でも見たのかも。怖い夢はね人に話すか紙に書いて捨てると、現実に起こらないって話が・・・・」


なにか、大事なことを忘れてしまった気がするけれども全く思い出せなかった。


「まだ外は暗いにゃ。寝ろ。」


「うん。」


ああ、なんだろう。スズちゃんだ。スズちゃんに会いたい。このモヤモヤはスズちゃんが解決してくれる。そんな気がする。


手に持ったペンでメモにひと言、スズちゃんに会いたい。と書いた。

次回は10日予定です。


思ったよりルビがめんどくさかった(爆笑)

( ^∀^)

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