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第96話

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします

「きゅん!」


「ただいまー」


「おかえり~」


ドタドタ・・・私の部屋に帰ってきた。ちょうどセイリューちゃんの起きてる時間だったみたい。ケセランパサラン(仮)ちゃんは私のただいまーにおかえり~を返してくれた。


「きゅん!きゅん!」


ぴょいこぴょいこと跳ねてニコニコとしているセイリューちゃんカワユス。そのセイリューちゃんをベッドから窓際のテーブルに移動だ。コテン、と首をかしげている。そりゃそうだ。セイリューちゃんがここに乗るときは夜。月明かりの食事の為に乗っている。


今はまだ明るい。なぜ乗せたかって、それは。


「トーリューお邪魔しますにゃあー」


「きゅん?」


この子にかかると名前が迷子だなぁ。セイリューちゃんがトーリューになってしまった。カラスキくんがセイリューちゃんと同じテーブルにシュタッと乗った。しなやかーに乗る様は運動神経は悪くなさそうだと語っているようだった。そしてその頭にケセランパサラン(仮)ちゃんがモスッと乗った。軽いから乗ってても気にならないらしい。


「残念。まだ居ないみたいですにゃ」


「どの辺?」


「んー?ぼく、わたしも見えないねぇ」


「ボクにも見せて」


テーブルの付いてない側の窓枠にワシッとテンクウちゃんが張り付いた。


「あの辺りです。居たら連れてこいって言われてたんすけど、居ないっすね」


「そっかー」


「気付かなかったなぁ」


「きゅん?」


「セイリューちゃん、あのね。あの辺りにセイリューちゃんを襲ったオオカミさんが毎晩来てるんだって。知ってた?」


「きゅん!」


「「知ってたの!?」」


声、荒げちゃうよね。気付かなかったなぁ。ホント。テンクウちゃんがなにやら悔しそうに眉間がうにうにしている。モンスターの名折れだとかいうことでも考えているんだろうか。


「きゅん?きゅんきゅんきゅーん、きゅんきゅん・・・きゅんきゅん。」


「ふむふむ。・・・・そっか。毎晩居たよって、みんな寝る少し前に来て、朝日昇る前には帰っちゃうんだって」


「いないないないばあ~ってやつだね、ね。モナ!」


「うん?うん。うーん。何で居たんだろうね。」


ケセランパサラン(仮)ちゃんの言いたいことはなんとなーく解る。テンクウちゃんがセイリューちゃんの通訳しつつ精神的ダメージを受けている。耳も尻尾もションとしている。テンクウちゃんは悪くない!変な時間にうちの横に現れるヤツが悪い(ヒドイ)


「セイリュー、あのね。」


「ポコポン!」


「ぽっぽん!」


部屋に入ってからずっとおとなしくしていたふたりが声を上げた。テンクウちゃんが説明を始めたから捕捉もあるのだろう。


「ポコォ」


「ぽんぽこぽーん」


「というワケなんだ。」


「・・・・きゅ」


鳴いたかどうか聞き取れるか聞き取れないかギリギリの声量がセイリューちゃんから漏れた。


「・・・・」


セイリューちゃん固まってる。と、思ったらブワッと涙が溢れだした。ブワッである。ブワッ。


「きゅんきゅんきゅんきゅんきゅんきゅんきゅんきゅんきゅんきゅんきゅんきゅん~~!!!!」


テーブルから降りてテンクウちゃんの体に頭突きやら猫パンチ的なのをかまし始めた。激しい。どうしたセイリューちゃん!激しい!!


「・・・ポコォ・・・」


ポンポコ丸の声がむなしく響いた。テンクウちゃんはセイリューちゃんの攻撃を無言で受けているし、そんなセイリューちゃんは涙が止まらない。


「セイリューちゃん・・・」


ついぞ呟くように声をかけると、セイリューちゃんはこちらを見てトテトテと近づいて来たので、私はその場でかがんでセイリューちゃんが来るのを受け入れた。


私の胸で涙を擦り付ける度に、きゅうきゅうと声が鳴った。セイリューちゃんの頭をナデナデしていると気持ちいいのか落ち着いてきたようだった。


「きゅ~ん」


「うっ」


ズギャァァン!セイリューちゃんのうるうるお目目攻撃・・・!庇護欲(ひごよく)ハンパないって~!む、胸が、苦しいっ!いや、負けないっ!!ふんぬっ!


「セイリューちゃん、セイリューちゃんのお父さんとお母さんがとってもとってもとってもとっても心配してるんだって。」


広末●子さんの曲が脳内よぎったけど、横道それるな自分!(損な性分)


「私ね、セイリューちゃんはまだ小さいから大事にしてくれるお父さんとお母さんの傍に居たほうがいいと思うな。セイリューちゃんはナイトフォックスっていうキツネさんでしょ?」


「きゅふっきゅふっ!?」


それがなんなの!?と怒っているように聞こえる。


「夜ひとりで寂しくなかった?」


「・・・・・きゅん・・・・・」


思うところがあったようで顔をフイッと反らしつつも耳も顔もションポリしてしまった。


「大きくなるまでは同じ仲間同士で暮らすのが一番いいと思うんだ。」


「・・・・・きゅん・・・・・」


「大丈夫!」


「きゅん?」


「セイリューちゃんはお家に帰るだけ。お母さんとお父さんと暮らすだけ!私達とはずーっと友達なのは変わらないよ!だからね、遊びに来てくれると嬉しいな!いや、ナイトフォックスって希少種だっけ、じゃあじゃあじゃあ、私から遊びに行くよ!ね!」


ぱるるるるっと耳が瞬いたように震えた。お目目をくりっとさせてこっちを見てくる。


「きゅん!!」


力強い返事が返ってきた。セイリューちゃんのお家がどれだけ遠いかわからないけどキジンさんに教えてもらえば行けるハズ!遠すぎたら・・・その時はその時だ!


「ではそろそろ行きますか」


「わ~い」


「ニャァアオ」


「ポコポン!」


「ぽっぽん!」


「ワフッワフッ」


「きゅんきゅん~」


♪地球が宇宙みんなの強さ~、愛だらけサイ●マ~空のはて見えたら~おねえさん明日を~眉毛に乗せて~(中略・・・)とーべとーべもうちょっと~、目が覚めるまでぇ~(byクレ●ンしんちゃん)


と~べ、とーべ、もうちょっと~・・・・


「と、とぶの?」


「飛ぶ!ニャアァァァァ!!!!!」


カラスキくんの体が光って家の前はちょっとした高温に見舞われた。


「とぶのおおおおおおお!?!?」


飛ぶらしいです。

すっかり忘れてたんですけど、今度閑話どこかに挟みますね~~



(´・ω・)





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