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第10話

モナ、まだ寝てます。モナ~~おっきろーー?次回は起きてます。

「それにしてもあの少女は頭が良かったですね。」


「子供にしちゃかなりしっかり受け答えしてたしなー。」


「ドワーフとかホビットの血でも入ってるんでしょうか」


「おー、ありそうだなぁ。」


ユーグリッド達がそうお喋りをして帰ってから数時間が経過した。ユーグリッド達が帰ってしまう前に仕事中のレフティ達にモナとテンクウちゃんにあった事を話していたのでモナはずっと休憩室にいた。


いたと言うか、寝た。寝てしまった。泣いていた少女はむにゃむにゃと声を上げていたが本人自身には聞こえてすらいないだろう。数時間は経過したが暇を見つけては誰かが度々モナの様子を確認していたので問題など起きることはなかった。


「わふっ」


もし問題があるとすればテンクウちゃんが全くモナから離れようとしないことだった。野良犬のはずのテンクウちゃんは泣きつかれて寝てしまったモナを守るように包んで見守っていた。


足の怪我をすっかりサッパリ消し去ってくれたのだ。当然と言えば当然の行動だったのかも知れない。しかしながら守ること数時間ずっと、だった。そんな折、ミギィが休憩室にやってきた。


「あんれぇ。本当にずーっと寝とるべ。もう夕方だべなぁ疲れてたんだぁなぁ。テンクウ、すまんが離してくれねえがあ?」


「くぅん・・・」


「みぃんなに聞いた通り離さねってが?うーーん。営業中ば問題ねげっと、閉店時間だでモナちゃん離してもらわんと困っのよぅ」


「きゅーんきゅーん・・・」


「んだっけどもなぁ・・・そんなとこでずっと寝てたらモナちゃんの体が(いで)(いで)ぇってなっちまうだよ。そりに夜はここは誰も来なくなっちまって、モナちゃん風邪引いちまうかもしれねぇしな?んなのいやだべ?」


「わふっ」


ミギィさんの話により離してくれた。話を理解してるのだろう賢い。


「ミギィさん、(オデ)のこと呼びましたか?」


「あぁちょうどよかったべ。レフティなら運べんだけんど、レフティは閉店作業忙しいべ?ハジーなら力あっぺ?裏のウヂに運んでほしぐっで呼んだんだぁ」


食堂の裏にはミギィさんとレフティさんの2人が住んでいる家があった。


「あい、わかりました。どっせい」


「くーん・・・」


「テンクウ、来だかっだらウヂ来るかぁ?モナと同じ所に帰るべ?」


「わふっわふっ!」





モナはとある1室のベッドに寝かされた。そしてテンクウちゃんは同じ部屋に入った。


「テンクウ?静かにしでねど、追い出すかもしれねっがらな。お前も眠れな。」


「わふっ」


ミギィは部屋から出ていった。何かあった時に対応しやすいように部屋の入り口のドアは開きっぱなしになっていた。


モナが起きる気配もなさそうなのでテンクウも寝ようと床で目を閉じた。しかし軽く開いた窓から一匹の猫が侵入してきた。その猫はモナが昼間見た白い猫だった。


「オマエも落ちたもんだにゃ。怪我、猿達にやられたんだって?」


白い猫はテンクウに向かって堂々と喋った。


「なんだよビャッコ。こんな時間に。ボクをからかいにきたの?ドアが開いてるから声は落としてよ。人間達に気づかれたら大変だ」


テンクウも普通に喋り出した。


「チッ・・・メンドーにゃこって。ああ、まぁにゃ。からかうのは俺様の趣味さ。特に犬をからかうのは好きだ。って怪我はドコだ?」


「ふふん!そこのモナちゃんに治して貰ったんだ。良いだろ~~」


ベッドで眠っている幼女へと目を向ける


「あんふぁんふぁーん、新しい顔よぉ・・・グゥ・・」


((よくわからない寝言言ってる・・))


「んぁ?そこのって・・昼間俺様達に近づいてきた子供じゃにゃいか。ふ~ん。奇特な人間もいたもんだ。俺様達がモンスターって知ったら従わせたり倒したりするくせに、動物なら助けるんだからにゃ。人間にゃんてワケわからんよ」


「わからないけどボクを助けてくれる時とっても真剣に向き合ってくれたんだ。たぶんだけど、この子は信じられる人間だと思うよ。」


「あはははは、気でも狂ったかテンクウ!一回助けられただけで(ほだ)されるにゃんて俺様以外にも笑い者にされること間違いにゃいぞ!?」


「笑えばいい。ボクを助ける為にすごぉくすごぉく高い薬をわざわざ買って治療してくれたんだぞ。こんなにすごぉくすごぉく小さい人間なのにだぞ!?」


「・・・ふーん。それを見ていないからわからにゃいけども、オマエがそこまで言うにゃんて、めっずらしいにゃ~~。ふーん。ちょっとこの子の事俺様も気になって来たにぁあ。」


「ビャッコもココで寝るかい?」


テンクウは今の今までからかって来ていた相手にも関わらず、モナに興味が湧いてきたと言う理由だけで部屋に居ることを薦めた。テンクウは基本的にお人好し的性格だった。


「君もココにいて見極めるといいよ」


「それは別に明日でも出来る。興が覚めたから帰るにゃ。もう猿どもにやられるヘマすんにゃよ?俺様は俺様がからかうのは好きだが、知り合いをからかわれるのは大嫌(でぇっきれ)ェにゃんだにゃ~~」


目をギラギラさせながらビャッコと呼ばれた白い猫は入ってきた窓から出ていった。


「アイツは本当に素直じゃないんだから」


2匹は動物だったが、2匹はモンスターでもあった。そしてそのモンスターは街の近くに沢山潜んでいた。そしてその事は人間と言う人間に隠して生きてきた。昔は知っている人間もいただろうが今このモンスターが動物として生きていることを今の街の住人達は知らない。


「もうだいぶ長いことボク達は人間を信じられなかった」


「特にテイマーっていうお仕事をしている人間はボク達の心を傷つけた」


「そろそろまた人間を好きになっても良いですか?神様」


誰も聞いてないそのテンクウの声はとてもとても小さく夜の少し冷えた空気に溶けていった。


お読み頂きありがとうございます!もしよろしければブックマークや☆を押していただけると嬉しいです。


作者が嬉しさに舞い上がって更新頻度が増えるかもしれませんよ



ようやくモナの転移初日が終わりました。まだ1日目。まだ1日目終了です。奥さん。


モンスターは人語を喋るタイプと人語は喋らないタイプ(種族語のみ)がいます。


テンクウとビャッコは人語喋れるけど隠しているタイプです。


ユーグリッドは獣人なのでまた違います。


*オマケ*

それぞれの一人称


モナ「私」

ミギィ「アタシ」

レフティ「アタイ」

ナカバ「私」

ハジー「(オデ)

スミコット「私」

ユーグリッド「俺」

騎士さん「私」


第6王子「私」

第8王子「俺」

プント「私」

リネア「わたくし」


テンクウ「ボク」

ビャッコ「俺様」


テンクウちゃんもビャッコもオスです。

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