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悪役令嬢、日程を聞く
「さて、それではバリアルは出て行ってくれ」
「はい?わ、分かりました」
首をかしげながらも、兄は大人しく出て行った。
扉が閉められるのを見てから、父親は口を開く。
「エリー。王族方と会う日程が決まったよ」
「……なるほど。いつでしょうか?」
どうやら、王族とお友達になる機会が決まったらしい。
エリーは、できるだけ事を荒立てないようにしようと誓う。
「明明後日だ」
「随分とすぐですね」
エリーは目を覆う。
思っていたより早い。
「因みに、毎週同じ曜日に行くから。心得ておけ」
「……はい。了解致しました」
エリーは喉から出そうになっているため息を飲み込み、頭を下げて部屋から出て行く。
そして、メアリーに指示を出す。
「漁村のガリタッド、だったかしら?1度視察をしたいから手配を頼むわ」
「承りました。すぐにご用意致します」




