悪役令嬢、村長に悩む
「この村長は、どういった経緯で村長になったのですか?」
エリーは選考理由を尋ねる。
ただ、尋ねたものの、エリーにはなんとなく予想できた。
「村長は、前村長の子供がなるモノだよ。貴族と同じで、家系によるモノ」
「そ、そうですかぁ。この賄賂って、カットしてもよろしいのかしら?」
エリーは父親の目を見て尋ねる。
もし、村長との繋がりが重要だというのであれば、賄賂を送らないわけには、
「ああ。カットして良いぞ」
「ああ。やはりダメで、……はぇ?良いんですか?」
エリーは目を見開いて驚く。
まさか、村長との繋がりを斬って良いとは思わなかった。
「本来の予定では、その村は潰すつもりだったからな。賄賂を要求する割に、全く結果を出さない。村長を消すわけにも行かなかったから、景気の良くないその村は消してしまおうと思っていたんだよ」
どうやら父親は、村を取り潰すつもりだったようだ。
ーーん。ちょっと待って。それ、私に使えない場所を渡したって事!?
エリーはいらないモノを押しつけられたという事実に気づき、肩を落とす。
だが、すぐにその瞳に熱い炎を燃やす。
そして、父親を見返すために頑張ろうと心に誓うのであった。




