悪役令嬢、褒美を受ける
「エリー。あなたはなんと言うことを」
母親はエリーに悲しげな目を向けた。
王冠を壊してしまい、娘か公爵家に罪が掛かると思っているのだ。
だが、国王が重鎮たちとの話し合いを終わらせ、その中に居た父親が帰ってきた。
そして、しばらく父親が母親としゃべると、
「エリー!凄い子ね!私が間違っていたわ!!」
そう言って、エリーに抱きついた。
かなり強い力で。
ーーぐはぁ!苦しいっ!
エリーは死にかけた。
父親がすぐに止めなければ、本当に死んでいたのではないかと思うほどだった。
母親は慌ててエリーを解放したが、エリーはそれ以降、母親に抱かれるとわずかな恐怖を覚えることになる。
数日が経ち、エリーはまた国王の下へ訪れた。
今回のことで褒美をくれるというので、エリーは内心ウキウキである。
「エリーよ。今回はよくやった。本来であれば全貴族の前で褒美を渡したいのだが、残念ながらそれはできない」
エリーはそれに苛立つことはなかった。
国王としては秘密にしたいだろうというのが読めたのである。
「ということで、エリーよ。君には我が息子たちと結婚する権利をやろう」
「はぇ?」
国王の発言に、エリーを抱えていた母親がぽかんとした表情をする。
エリーは、
「うぇ、うぇ、うぇぇぇぇぇんっ!!!!」
ーー嫌よおおぉぉぉぉぉ!!!!