89/3881
悪役令嬢、ついてくる兄
「エリー。朝食が終わったら私の部屋に来なさい」
「分かりましたわ。お父様」
毒の加護を得て、メアリーが専属メイドとなった次の日、エリーはまた父親に呼び出しを食らった。
素速く朝食を食べ、父親について行く。
その後ろには、今までと違い専属メイドのメアリーの姿が。
しかも、それだけでなく、兄も一緒に付いてきている。
「入りなさい。……って、バリアル?お前は呼んでいないぞ」
どうやら兄は勝手に付いてきたようだ。
父親の言葉に、兄は真剣な顔で返した。
「僕も領地の管理については学びたいです!」
「なるほど。なら、話を聞くだけだぞ。お前は、エリーに助けを求められない限り口出しをしてはいけない。いいな?」
「はい!」
どうやら、今回の話は領地の話らしい。
エリーは、どんな産業を活性させるかで思考を巡らせる。
「さて、まずは。エリーに任せる領地を伝えよう」
1度思考を止め、父親の言葉に集中する。




