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悪役令嬢、毒に強くなる
「うぅ~。頭が痛いわぁぁ」
エリーは頭を抑える。
視界はグニャグニャと歪み、全身の感覚がない。
現在は5種類の毒を飲んでいる。
光の加護の効果により少しずつ回復が行われ、だんだんと毒の効果が薄まっていく。
「少し収まってきたわ。追加を」
エリーがそう言うと、無言でファーストは新たな毒を手渡した。
今度の毒は深紅。
飲むと、
ブシュッ!
鼻から血が噴き出した。
「この薬は血のめぐりを異常なほどに高めるものだよ。あくまで薬だからね」
あくまで薬。
とは言っているモノの、毒の加護の毒の無効化の効果が大きくなるのだから不思議だ。
「はい。それじゃあ、次はこれ、そしてその次は、」
ファーストがどんどんと毒を並べていく。
そして、エリーがヤケになって毒を一気飲みしたときだった、
「ただいまぁ」
「ただいま」
数名が家に入ってきた。




