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悪役令嬢、兄に心配されてた
「じゃあ、渡す領土は家で話し合おう」
「はい!お父様!お仕事頑張ってください!!」
エリーは馬車に乗り、仕事の残っている父親と別れる。
馬車の中では、母親にたくさん褒められた。
ただ、ほめられるのは嬉しいが、同じ話を5回も6回も聞き続けるのは少しつらいモノもあった。
エリーは精神的に疲れながらも、家に帰りつく。
そして、母親から逃れようと馬車から出た所で、
「エリー!大丈夫かい!?」
ガバッ!
と、抱き着かれた。
しばらく、兄、バリアルに抱き着かれる。
ー-あら?妹のお出かけを心配したのかしら?
「エリー。聞いたよ!毒を食べて倒れちゃったんだろ?今日は安静にして、」
どうやら、バリアルはエリーが毒で倒れたことを誰かに聞いたらしい。
今日は安静にして、という割には、なかなか離してくれない。
「お、お兄様。私は大丈夫ですから」
30分ほどエリーがなだめ、さらに母親も途中からなだめたことで、やっと兄は離れてくれた。
今日は、精神的に疲れる日だと、エリーは感じた。




