悪役令嬢、剥奪されるとき
絶対命令権。
というものを、王族は持っている。
それは、どんな命令でも、それを使えば王の命令と同等の力を持つというものである。
ただ、1部の命令、王を殺せなどといった命令には使うことができない。
その強すぎる効果は、もちろん制限がある。
それは、1生に1度しか使えない。ということだ。
その絶対命令権を、アロークスはエリーに使う。
エリーの持つ財産や立場を、すべて主人公に渡すように命令するのだ。
エリーはそれによって立場を完全に失い、怒ったエリーは主人公に復讐を誓う。
そこからいろいろと騒動を起こし、エリーは弟に毒殺されるのであった。
というのが、エリーの知るゲームのシナリオ。
絶対命令権を使われてしまっては、たまったものじゃないので、エリーとしては他の王族ともかかわりたくないのだ。
それでも関わらないといけないのなら、エリーは安全な場所を作っておく必要がある。
クラウンの拠点である、老婆の家も安全といえば安全なのだが、仮にエリーに監視が付いていて、老婆の家を発見されても問題。
それなら、エリーとしては自分で領地を育て、そこのモノたちの好感度を上げておこうと思うのだ。
そうして好感度の高い領民達の中で生活しておけば、命を狙われるということも少ないはず。
というより、安全な土地をエリーの手で作ることができるはずなのだ。




