75/3881
悪役令嬢、父からのご褒美
「ご褒美?いったい何が欲しいんだい?たいていのモノは買ってあげるけど」
父親が首をかしげる。
そこで、エリーはぎりぎり受け入れられるかどうかの発言をした。
「私、ご褒美として領地が欲しいんですの。領地運営をやってみたいですわ」
父親の顔が固まる。
さすがに即答はできないようだ。
だが、エリーはこの提案を受け入れられると踏んでいる、
その理由は、公爵家になると、ほとんど領地経営まで手が回らないからだ。
公爵家などはとても領地が広い。
だが、公爵は城勤めで、それぞれに仕事がある。
そして、その仕事もかなり忙しいもので、領地経営などやる暇がないのだ。
手が回らない領地は、金をばらまいて住民の暮らしを安定させることしかできない。
ある意味、領地とは、公爵の力を抑えるための足かせ。
住民に金をばらまかせて、公爵家の資金が増えすぎないようになっているのだ。
つまり、公爵たちにとって、領地の経営を任せることは大してリスクにはならない。
少しくらい赤字でも、金を配るだけでいいのだから。
「いいだろう。エリー。君に領地の1部の経営を任せよう」
「わぁ!ありがとうお父様」




