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悪役令嬢、友達が欲しい
「エリーよ。ただ、褒美を何も与えないわけには行かない。何か欲しいものはないのか?」
ーー国王!グッドなタイミングよ。
国王の問いかけに、エリーは食いつく。
「それでは、言わせていただきます。王よ。私は、王族方の友人という立場が欲しいです。王子や姫様たちとお話する機会を、1週間に1度で良いので作っていただけないでしょうか」
「ほぅ。友人という立場、か」
国王の顔が真剣な物になった。
だが、父親の視線の厳しさが和らいだ気がしたため、エリーにとっては良い傾向である。
「お願いできないでしょうか?」
それ以上は何も言わず、エリーは視線を下に向ける。
周りの貴族達は何も言わなくなっていた。
格の違いを思い知ったのである。
自分たちの子供との格の違いを。
そして、エリーの家との教育レベルの違いを。
「いいだろう。ただ、名ばかりの友人になるつもりなら、優遇はしないぞ」
「ふふふっ。構いませんわ。日程などの調整はお父様とお願い致します」




