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悪役令嬢、11歳
梅雨入りしたので本編始めました。
春。
エリーは11歳。
「それでは、行って参ります」
「ああ。気をつけて」
「いってらっしゃい。お姉ちゃん。来年は僕も行くからね!!」
「エリー。楽しんできて」
家族たちに手を振り、エリーは馬車へと乗り込む。
目的地は勿論、
「エリー様。学校、楽しみですね」
「ええ。そうですわね」
エリーは学校へ行く年齢となったのだ。
それだけなら、新天地に行って楽しいかも知れないが、
ーーここからが本番。今年、主人公が召喚されるわ。
エリーは窓から外を眺めながら、これから起こる可能性のある出来事を考える。
「エリー様。そろそろ」
「ん?ああ。そろそろ着きますのね」
エリーが景色の方に意識を向けると、そこには巨大なタテモノが。
王城よりも大きい、学校である。




