閑話、それぞれの入学
行ってなかったですけど、閑話はそこまで本飯に影響はないですよ。
ただし、そこまで、ですけど。
『脳』を殺害し、約1年が経過した。
そんなある日、エリーは王族の友人たちと共に集まっていて、
「……エリー」
「タキアーナ。そんなに悲しい顔をしないで下さいませ。また会えるのですから」
しょんぼりとした顔の第1王女タキアーナに、エリーは苦笑する。
なぜ、タキアーナが悲しそうな顔をしているのかと言えば、
「学校に行くと、エリーに会えなくなる」
学校に行くようになるからだ。
タキアーナは現在11歳。
この世界では、学校に行かなければならない年齢になったのだ。
学校では寮生活、気軽に戻ってくることも出来ない。
「エリー!!!」
「えっ!ちょっ!?ガハッ!!???」
エリーはタキアーナの抱きつきに寄って、腹部にダメージを受けた。
その様子を見ていた他の友人たちから苦笑が見える。
「ちょっ!慌てないで、助け、キャアアァァァァ!!!????」
「え?あ?ちょっ!姉さん!それ以上は」
それからどうなったかは、皆様のご想像にお任せする。
が、ろくな事にならなかったのは、言うまでもないだろう。
……。
それから1年後。
「……エリー」
「ロメル。そんなに悲しい顔をしないで下さいませ。また会えるのですから」
ーー同じようなこと去年も行ったような気がするわね。
と、思いながらも、エリーは必死にロメルをなだめる。
ロメルも11歳となり、学校へ行かなければならなくなったのだ。
エリーは今年も必死になだめることになった。
「絶対、絶対また会いに来い!」
「はいはい。分かっておりますわ。今度見学にでも行かせて頂きます」
必死に会いに来いというロメルに、エリーは苦笑しながら頷く。
それで、すねた様子ではありながらも、ロメルは落ち着いてくれた。
ーーふぅ。今年は、コレで終わりね。
エリーはまたコレが来るのだと言うことは分かっていた。
…………。
また次の年
「それでは、バリアルの無事を願って、乾杯!」
「「「乾杯!!!」」」
家ではパーティーが開かれていた。
バリアルが11歳となり、学校へ行く年となったのだ。
因みに、現在エリーは9歳。
エリーの入学も迫ってきていた。
「エリー。僕がいなくても大丈夫かい?」
「寂しいですけど、大丈夫ですわ。アシルドもいますし」
「そうか。……アシルド。エリーと仲良くするんだよ」
「はい!お姉ちゃんとは仲良くします!!」
公爵家の兄弟3人は、楽しく食事をした。
一瞬4人になったときもあったが、それはまた別の話。
…………。
こうして、それぞれが本番の舞台である学校へと旅立っていくのであった。




