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悪役令嬢、味わって逝きなさい

「お、おい。何だよそれ。何なんだよ!!」


『脳』の慌てたような声が響く。

エリーはそれに、腕を振りかぶることで応えた。


「私の本気、味わって()()()()()


「お前は、お前は何なんだよぉぉぉ!!!」


エリーは拳を突き出した。

圧倒的なレベルを持つエリーから放たれる拳は、到底『脳』が認識できる速度を超えており、何をされたのかも分からず、


ドゴォォォォンッ!


屋敷の壁と共に消滅した。

ちなみに、エリーは気付いていなかったが、まだギリギリ生きていた『右足』も一緒に消滅した。


「私が、何か?私は、」


 ーー悪役令嬢になるはずだった、


「闇の女王よ」


エリーは消え去った『脳』に言い放った。

壊れた壁から部屋へ差し込む日差しが、まるでエリーの言葉を肯定するように降り注いだ。

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