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悪役令嬢、2つ目の加護
《加護『毒の加護』を獲得しました》
エリーのもうろうとした思考の中に、平坦な声が響く。
すると、
「うっ。ゴホゴホッ!あ、あれ?」
エリーは起き上がる。
今まであった痛みが、全て消え去っていた。
だが、失った血までは戻っていないようで、体がフラつく。
「おおっ!大丈夫か、エリー!」
国王がフラついたエリーを支えた。
そして、宮廷医師長の方を向き、
「よくやった。して、何をやったのだ?」
どう治療したのか尋ねた。
宮廷医師長はうなずき、行ったことを解説する。
「残りのHPが1の状態の時にだけ使える力を使って、エリー様に『毒の加護』を与えました」
毒の加護。
光の加護と同じく加護の1つだが、効果は光の加護と大きく異なる。




