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悪役令嬢、火傷蜥蜴のボスとご対面
「入れ」
どこか楽しそうな声が部屋から聞こえた。
男は緊張した顔持ちで、部屋の扉を開く。
「よぉ。お前が、エリー・ガノル・ハアピか?」
中にいたのは、数十人の黒ずくめのモノたち。
そして中央には、豪華な椅子に座り、片手でワイングラスを持った筋肉隆々で入れ墨を入れた男。
「違うと言ったら、いったいどうなるのかしら?」
エリーはそういて、微笑んだ。
入れ墨の男との間に、視線がぶつかって火花が散る。
数秒睨み合い、先に折れたのは入れ墨の男の方だった。
視線をそらし、笑みを浮かべる。
「変人だな」
「あなたには言われたくないわ。火傷蜥蜴さん」
エリーの言葉に、部屋の空気が変わった。
入れ墨の男は、殺気を放ちながら尋ねてくる。
「お前、なんでそれを知ってやがる?」




