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悪役令嬢、特別な回復
「それでは、人払いをお願い致します」
「分かった。兵士たちよ!我と医師とエリー以外を他の部屋に移せ!」
国王が指示を出し、部屋から人がほとんど居なくなる。
すると、宮廷医師長はまず、エリーに回復魔法を掛けさせるのをやめさせた。
治療放棄にも見えるが、この行為は治療に必要な行為であった。
エリーのHPがジリジリと削れていく。
「45,44,43,」
すでにHPは2桁前半。
だが、それでも回復しない。
「22,21,」
ついに十秒台に入った。
そして、さらに待ち、
「11,10、9,」
ついに1桁に。
そこから事態は動いた。
「4,3,2,」
1という言葉とともに、宮廷医師長の声が響いた。
「『天の守り』!」




