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悪役令嬢、私がいなかったら
「私が来なかったら、デュランスが悲しむかも知れませんわね」
そう言って、イタズラっぽい笑みをエリーが浮かべる。
それを見て、イルデは苦笑を浮かべた。
「そうかもしれないな。だが、エリーが無理をした方が、もっと悲しむんじゃないか?」
エリーは、返答に困った。
まるでそれは、凄い仲が良い友人のような反応だから。
ーー私、そんなにデュランスと仲が良かったっけ?
正直そこまで思われているとは考えられなかったが、予想より好感度はそこそこ高いのかも知れないと思えてくる。
「ん?もしかして、」
エリーの頭に浮かぶ、とある可能性。
それは、
ーーもしかして、イルデたちが捕らえられて、人質にされる?
という可能性。
まず、火傷蜥蜴が本当にエリーを狙っているかも分からない。
だが、エリーが狙いでなかったとしたら、
ーーパーティーで、有力者の子供たちを殺害する可能性も!?




