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悪役令嬢、火傷蜥蜴対策を考える
「さて、それでは会議を始める」
エリーは重苦しい口調で言った。
部下たちも真剣な表情に整った。
「まず、大前提として我らの目的が火傷蜥蜴壊滅でないことは言うまでもない。目的は、世界の闇を支配することだというのを忘れることがないように」
「「「はっ!!」」」
エリーの口上が終了し、早速議論が始まった。
火傷蜥蜴の元幹部、『左足』や『左手』などから精鋭たちの情報を聞いたりして、対策案が次々と立てられていった。
そんな中で特に議論が盛り上がったのが、
「今回火傷蜥蜴が進行がこちらに入ってくると言うことは、逆に言えば外の人員が少なくなると言うことではないでしょうか?それならば、国内で火傷蜥蜴と事を構えるより、海外進出に目を向けるべきでは?」
というモノだった。
国内が危機的な状況であるからコソの逆転の発想である。
だが、勿論反対意見も上がる。
「そのようないたちごっこをしていては、いつまで経っても世界を支配できないのでは?」
そんな風なことを言い合いながら、議論は進んでいった。
だが、その次の日、議論は完全にムダだったのだと悟ることになる。




