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悪役令嬢、囲まれたからさようなら
「「抜けるしかないな(ですわ)」」
賊の合間を縫って逃げる。
他に道はない。
「やるなら、あっちですわね」
エリーは、賊にバレないように人の密度が低い場所を指さす。
男も、それに黙って頷いた。
「それでは、行きますわよ!!」
「おう!」
2人は同時に走り出した。
息の合った動きで、賊の集団にツッコむ。
「うわっ!抜けられる!……なんて、なるかボケェ!!」
賊の1人が、手を振り下ろした。
すると、周りの賊が腕を突き出し、
「「「「『ふぁいああああぁぁぁぁぁ!!!ぼぉぉぉぉるっ!!!』」」」」
気合いのこもったファイアーボールを放った。
炎の球が、先に出ていた男の体に直撃する。
「ぐわああぁぁぁ!!!」




