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悪役令嬢、動き出した諸々
「エリーが説得した!僕も動かないと!!」
エリーを見ていた兄のバリアルは、エリーが男を説得したことを見て、すぐに行動を開始した。
賊の1人に後ろから襲いかかり、剣を奪う。
「はああぁぁぁ!!!!」
それから、他の賊に斬りかかった。
賊は反応が遅れ、右腕に傷を作る。
「ガキが!なめんじゃねぇ!!!」
「くっ!数が!!」
賊の数人が集まって、バリアルを囲んだ。
バリアルも、流石にこの数を相手にすることは難しい。
ーー何人を道連れに出来るか?
自分の死は避けられないとバリアルが思ったとき、
「隙ありだぁ!!」
囲んでいた賊の数人が、背中から血を吹き出し倒れる。
その背中に傷を作った存在は、
「ターリル!」
「バリアル。やるなら、俺にも声をかけてくれよ」




