悪役令嬢、重要な局面を迎える
「エリー。これからあなたが会うのは、とても偉い人なの。できれば、ご迷惑をおかけしないようにね」
エリーの母親はこう言って頭を撫でた。
そして、その言葉でエリーは今から会う相手を感じとる。
ーー公爵家から見て偉いって、絶対に王族関係者じゃん!!
そう思ったエリーは気合いを入れた。
もちろん、その気合いは顔と名前を覚えるための気合いではあるのだが、今回はそれだけではない。
「アルディーナよ。久しぶりだな」
豪華な服で全身をまとった男が、エリーの前に現れる。
母親を呼び捨てにすることと、その頭にある王冠と、前世で見たことのある顔から判断して、
ーー国王来たぁぁ!!!
今回会うのは国王であった。
国王という偉大な存在に、緊張やらなんやらを感じたが、子供だから、ある程度の無礼は許されるだろうと開き直った。
それとともに、エリーは前世で得た国王の情報を思い出す。
ーー国王。あまり出てこなかったけど、確か、あのときに、、、そうだ!
エリーは重要なゲーム内でのイベントを思い出した。
そして、それを利用する方法を思いつく。
ーーコレをするなら今しかない!
「フハハッ!母親ににて美しい目をしておるな」
そう言って、国王がエリーを抱えたところで、エリーは行動を開始する。
この行動が許されるのは、子供である今しかないと判断したのだ。