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悪役令嬢、え?私?
ーー他の作戦も考えた方がいいかしら?
と、ちょっと危ないことになりかねないことを考えていると、
「エリー様は、好きな方とかいらっしゃらないんですか?」
メアリーからこんな質問が来た。
エリーは顎に手を当てて悩む。
「好きな人ですの?私、まだ恋愛とかよく分からないですわ」
嘘である。
エリーといえど、前世で数回恋愛をしている。
告白したり告白されたり、甘酸っぱい青春を過ごしたのだ。
そして、それに比べると、
ーー私、まだ子供すぎて好きになれないわ。
今まであってきた子供たちは、若すぎるのだ。
「エリー様。恋愛分からないんですか?それでよく作戦を考えられますね」
「ふふっ。だから、メアリーも私を信用するだけではいけませんよ。本当に効果があるのか、考えてやってみて下さいね」
エリーはそんな顔をしながら、
ーーいつか私が、攻略対象に恋する日が来るのかしら?




