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悪役令嬢、需要と供給を知る
「補給部隊、だと!」
『左腕』の声に力がこもった。
エリーは、いつ反撃が来ても構わないように意識を集中させる。
「なんだそれ」
『左腕』の拳が強くにぎり混まれる。
拘束を破られることも考慮して、エリーはポケットの呪いの装備に触れた。
「火傷蜥蜴で最強と言われた俺が、補給部隊だと?」
『左腕』が震えだした。
ーーうわっ。もしかして、凄い怒ってるのかしら?震えるほど怒るなんて。
「最強?我に負けた時点で、最強ではない」
「そ、そうか」
エリーが放った一言で、『左腕』のトーンが少し落ちた。
エリーは、更に怒るモノではないのかと首をかしげる。
その時だった。
『左腕』がバッと顔を上げる。
「勿論お前について行くぜ!よく、分かったな。俺が戦うのが嫌いだって!」




