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悪役令嬢、消火を見守る
「火を消せ!!」
「水を持ってこい!!」
火傷蜥蜴の構成員たちが焦ったように叫ぶ。
いや、ように、ではなく、実際に焦っているのだが。
「水魔法で時間を稼げ!!」
「『ウォォォォォタァァァァァボォォォォォォル!!!!!』」
「『ウォォォォォォタァァァァァァバレットォォォォォォ!!!!!』」
叫び声と共に打ち出される水の魔法の数々。
すぐに殺そうと思っていたが、その光景を見てエリーは魔法の習得にシフトチェンジした。
「うん。帰ってから練習するべきだな」
エリーは新たな魔法を習得して、すぐに使いたいという気持ちを抑えながら呟いた。
そうしている間に、大きな樽を抱えた筋肉隆々の男たちが戻ってきた。
バシャバシャッ!
そして、樽の中身を燃えている場所にかけていく。
シュッゥゥゥ。
「消火されたか」
とりあえず、表面上の火は消された。
エリーはそれを確認してから、
「ならば、死ね」




