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悪役令嬢、パーティーの準備
時間は流れ、ついに鑑定式の日となった。
エリーはパーティー用におめかしをしている最中。
ーーうっ!ド、ドレスが苦しい。
エリーはきつい腰のコルセットなどに苦しんでいた。
胃が圧迫され、今にも吐きそうである。
顔が青白くなっていて、目はうつろ。
「エ、エリー!?」
そんなエリーを見た母親が慌てる。
エリーはぼんやりとして視界で母を捉え、
「お、お母様、ドレスが、きつい」
力なく呟いた。
母親はすぐにきつく縛り上げていたモノを外し、エリーを横にさせる。
「ちょっと!メイド!何をやっているの!」
母親は、エリーの着付けを担当していたメイドを叱った。
そのメイドはまだ新人で、幼子の着付けなどやったことがない。
分からないとそのメイド自身も言っていたのだが、先輩たちは無視してその仕事を新人に任せた。
これが、新人の受ける洗礼というやつである。




