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悪役令嬢、え!?この人が!?
「……はぁはぁ。なかなか頑固ですわね」
「……はぁはぁ。其方の方こそ、なかなか粘るではないか」
エリーと助けられた男性は、かなりの時間言い合っても決着がつかず、肩で息をしていた。
切りも良いし、これからどう別れようかとエリーが考えていると、
「王。探しましたよ」
疲れ切った声が聞こえた。
エリーが声の主に目を向けると、そこにいたのは眼鏡をかけた30代くらいの男性。
ーー隈がひどい!若いのに!
エリーは男性がとても心配になった。
「……って、王?」
エリーは大事なことに気がついた。
今、この男性は王と言ったのだ。
「おう。レガリス。来たか」
「来たかではありませんよ。王。会談があるのに、何をしているんですか」
エリーたちの首が、ギギギギッと、応えた男性の方へ向く。
王と呼ばれたのは、エリーが助けた男性だった。
「「「えっ!?王!????」」」




