554/3881
悪役令嬢、島国の休む場所
誤字報告ありがとうございます。
「こちらです」
きっちりした服を着た初老の男性に案内され、エリーたちは大きな屋敷の前に来ていた。
エリーは魔力感知で暗殺者がいないかどうか探る。
「大きい木造建築。違った文化だね」
隣にいた兄のバリアルがそう呟いた。
すると、案内をしてくれた男性が顔を輝かせた。
「ほう!そこに目を付けますか。ハアピ家も将来がありそうですなぁ」
そう言って大きく頷く。
エリーはその様子を見て、ただ者ではないと苦笑を浮かべた。
ーー他国の家の将来を考えるんだから、一般の執事ではなさそうね。高位の人の執事だったりするのかしら?
エリーは男性の職業を推測。
「まあ、今は休んで頂きましょう。それでは、また明日で迎えに参りますので」
「ああ。頼むよ」
男性はエリーが推測している間に去って行った。
父親はその背を見送った後、目の前の建物へと入った。
ーーたのしみね。異国の地。




