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悪役令嬢、アーニ王国へ入る
船は見えた島へと近づいていき、港らしき場所へ付ける。
エリーは自分たちの作る港との違いをシッカリと観察した。
「いらっしゃいませ。ハアピ家公爵御一行様」
止まった船に近づいてくるモノが1人。
整った顔の老人だった。
「おお。出迎えありがとう。それでは案内を頼めるか?」
「はい。それでは、船は私たちの方で案内致しますので、皆様はお降りください」
港にぞろぞろと家族が降りていく。
エリーは目立たないように真ん中の方にいた母親の後に続いた。
ざわざわ。
「なんだ?」
「変な格好してんなぁ」
「外国の奴らだろ?珍しいよなぁ」
民衆たちが、物珍しさに集まってくる。
ただ、その前には兵士がいて、それ以上近づいてくることはなかった。
ーー兵士をどかして私たちに接触してくるモノたちはいない、と。
エリーは素速く民衆たちの気質を判別した。
「それでは皆様。こちらへどうぞ」




