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悪役令嬢、後は任せた
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旅行を告げられた日の夜。
エリーは少し焦りながらクラウンの部下たちへ指示を出す。
「我はしばらく来れなくなった。そのため、数日間の対応をお前たちにやって貰うことになる。状況は激しく動くだろうが、できるか?」
「「「勿論です!!!」」」
即答だった。
エリーは頼もしく思いながら頷いた。
「それでは、我はこれから働けない分、今日働くとするか」
そう言って、楽しそうに立ち上がる。
今すぐにでも飛び出していきそうなエリーを、部下は慌てて止めた。
「お、お待ち下さい。この数日間の護衛の数はどうすれば?」
「護衛の数?そこまで多くなくても良いだろう。まあ、しらない地へ行きたいというのなら構わないが、入るのは大変だと思うぞ」
エリーはそう言うと、今度こそ拠点を出た。
その手には、いくつもの呪いの装備が。
「今日は、楽しむぞぉ~」
次の日、本部隊が到着するための準備をしていた大量の火傷蜥蜴が、死体で見つかったという。
それによって火傷蜥蜴の国への侵入が大幅に遅れたのは、また別のお話。




