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悪役令嬢、そんなに疲れませんけど
「……ハァハァハァ」
大量の魔法を使った母親は、肩で息をしている。
エリーはそんな母親に、水を差しだした。
「あ、ありがとうエリー。今度は、ハァ、エリーもハァ」
「私がやれば良いんですね?分かりましたから、息を落ち着かせてください」
エリーは母親を座らせる。
それから、手を前に出し、
「『ウォーターウォール』『サンダーランス』『ダークバインド』『アイス……」
連続で魔法を発動させていった。
水の壁が現れ、雷の槍が飛んでいき、闇の何かから縄のようなモノが飛び出し、色々とカオスな状況になっていく。
数分後。
「……さて、こんなモノでしょうか?」
エリーは見た魔法をほとんど使い終わった。
エリーはアドバイスでも貰おうと、母親を見ると、
「………エリー。疲れて、ないの?」
呆然としながらそう尋ねてくる母親。
エリーは、母親と自分の違いを思い出して苦笑しながら頷いた。




