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悪役令嬢、お手本を見る
誤字報告ありがとうございます。
「お手本?分かったわ。『ファイアアアァァァァボォォォォォルッ!!!!』」
ボンッ!
と爆発音をする。
エリーは顎に手を当てて少し考えた後、手を前に突き出した。
それから、目を閉じて、
「『ファイアーボール』」
掌から火の玉を打ちだした。
魔法発動成功でアル。
ーーよ、よかった。叫ばなくても魔法は成功するのね。
エリーはほっと胸をなで下ろす。
「えぇ。エリー。今、気合い入れてなかった気がするんだけど」
母親はそう言ってエリーを見る。
エリーは笑って答えた。
「そうですか?結構入れたと思いますけど!」
嘘である。
ただ、母親の魔力の流れを読み取って、それを再現しただけである。
「ふぅん。ま、いっか」




