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悪役令嬢、次はあいつを狙います
誤字報告ありがとうございます。
「えぇと。クラウン様。それはどういった意味で?」
クラウンの部下が、おずおずといった感じで尋ねてくる。
エリーは、それに自信満々で、
「言葉通りの意味だ。いつかは正面からぶつかることを避けられないだろうし、今のうちに戦力を削っておくのは悪くないと思ってな」
と、答えた。
コレには、皆納得。
「では、誰を狙いますか?」
「『左足』。裏切りそうな奴とかいるか?」
「えぇ~。裏切りそうな奴ねぇ。『右腕』は、利益で動くタイプだから、上手くやれば引き抜けるかもしれないよぉ」
部下が、『左足』に内情を聞き出した。
それを受けて、部下たちの頭の中では、有力候補は『右腕』となっていく。
「……利益で動くか。従うフリをしてこちらを裏切る可能性もあるから、あまり進んで引き抜きたくはないな。それよりも、我としては『左腕』を狙いたい」
沈黙が訪れた。
『左腕』なんて、引き抜ける要素が思いつきもしないのに、エリーが狙うと言ってしまったのだから、それも当然。




