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悪役令嬢、いじめられる
「エリー。そんなにお勉強に興味があるなら、一緒にお勉強する?」
キシィは意地の悪い笑みを浮かべながら、エリーに問う。
どうせならエリーを自分の都合の良い人形にしてしまおうと考えているのだ。
もちろん、エリーはそんな考え方は読めているが、
「うん!やるぅ」
こう言うしかなかった。
そうするしか、兄を守る方法がなかったから仕方ないだろう。
「それでは。まずは言葉遣いから直しましょう」
キシィによる教育が始まった。
少しでも失敗すると、
パァンッ!
頬をぶたれる。
「うぅ!」
「エリー!?大丈夫!?」
エリーは頬をぶたれて倒れる。
もちろん、演技であるが。
「その程度5分ほどすれば跡は消えます。さあ、バリアル様はもう1度行って下さい。そして、エリー!早く立ちなさい!」
キシィは心配して寄ってきた兄を引き剥がし、エリーに冷たい声を掛ける。




