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悪役令嬢、また逃げられる
「えぇ?『右足』ぃ?『右足』は『左腕』と同じで火傷蜥蜴の幹部だけどぉ。……って、そういうことかぁ。今の攻撃は確かに『右足』だねぇ。後方支援が担当だよぉ」
エリーはそれを聞き、
ーー元を含めて火傷蜥蜴の暗部が3人。集まりすぎでしょ。
そう思った。
すると、『左腕』が新たな動きを見せた。
エリーたちを向いたまま少しずつ後ずさっていき、ある程度まで離れたところで、
「覚えてやがれぇ!!」
捨て台詞を吐いて逃げ出した。
エリーたちが追いかけようとしたが、
パンパンッ!
遠距離からの攻撃で妨害された。
エリーは追いつけないと判断して、さよならの代わりに石を投げる。
挨拶代わりなので、爆発音と悲鳴は気のせいである。
気のせいだと言ったら気のせいなのだ。
エリーは残念そうに走り去って行った方向を見ながら、もう1つ投げた。
「え、えげつないねぇ」




