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悪役令嬢、左足をどうしよう
「……逃げたか」
「そ、そうみたいだねぇ」
エリーの残念そうな呟きに、『左足』は頬を引きつらせた。
ーーあんなの見て逃げない奴はいないと思うけどなぁ。
「……まあ、今は追う必要もないか。先にお前の相手をしなければな」
エリーはそう言って、『左足』の方を見る。
視線を受け、『左足』は背筋が震えた。
「あ、相手ってどういう事かなぁ?ぼ、僕に戦う気はないよぉ」
『左足』は慌てた。
エリーに殴られないためにも。
「ん?別に戦いの話ではない。我が言いたいのは、貴様の未来の話だ」
「ぼ、僕の未来ぃ?」
『左足』は首をかしげた。
その反応を見て、エリーは頭を抱えたくなる。
「流石に1人でこれから静かに過ごしていく気はないのだろう?」
「うん。まあね」




