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悪役令嬢、左腕が強い
「ふんっ!」
『左腕』が反撃とばかりに腕を振る。
『左足』は、バックステップでそれを躱した。
「あれぇ。効いてなさそうだねぁ」
「当然だ。お前の攻撃など、痛くもかゆくもない」
『左腕』は余裕そうな笑みを見せる。
直後、その顔がぶれる。
ガンッ!
「グフッ!??」
その顎にアッパーカットが直撃し、少し浮かび上がった。
更に追撃で、連続のボディーブローが入る。
「ぬおぉぉぉお!!!?????」
『左腕』は腹筋に力を入れて耐えた。
子供には似つかない筋肉の感触が、殴っているエリーの手に伝わる。
「効いてないとしても、やらせて貰うよぉ!!」
攻撃に『左足』が加わる。
腹部への連撃、頭部への連続蹴り。
それでも、『左腕』はよろめくことすらなかった。




