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悪役令嬢、左足と戦う
『左足』という名の敵が、ゆっくりと近づいてくる。
それによって、敵の様子が少しずつ分かってきた。
「少年、と言っていい身長だな」
「へぇ。身長が低いって言いたいのかなぁ?………ぶっ殺すぞ」
『左足』はエリーと同じくらいの身長。
ただ、身長に何かコンプレックスがあるようで、エリーの言葉を聞いて左足は消えた。
「死んじゃいなぁ」
エリーの右耳に、こんな声が聞こえた。
エリーはそれを聞き、即座に前に倒れる。
ブオンッ!
エリーの真上で重い音が発生する。
ーーあ、危なっ!?
エリーは自分が追いつけなかった速さに驚く。
まさか、ここまっでレベルを上げたのに相手の攻撃が見えないとは思わなかったのだ。
「隙だらけだぞぉ!!」
『左足』は倒れたエリーに剣を振り下ろしてきた。
ただ、エリーはギリギリまで動かなかった。




