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悪役令嬢、時間が経てば夜は変わる
少し時間が経ち、夜になった。
エリーは勿論、活動中。
「クラウン様。B地点に迫っているようです」
「C地点が苦戦中!!」
「S地点が壊滅しました!!」
部下から上がってくる報告の数々。
それは、毒龍と火傷蜥蜴の争いについての報告だった。
「かなり、火傷蜥蜴の勢いが激しいな」
昼ではこの数日で屋敷が再建したわけだが、夜の方の変化は日ではないほど激しかった。
クラウンとしては予想通りなのだが、火傷蜥蜴が本格的に毒龍への攻撃を始めたのだ。
「火傷蜥蜴も各地から精鋭を集めたようですからねぁ。まあ、ある意味、精鋭を潰されるチャンスなので良いのだけど」
エリーの呟きに、ファーストが応える。
ファーストの言うとおり、今回は火傷蜥蜴がかなり強いモノたちを送り込んできていた。
「まあ、強い奴を殺せるのは良いんだが、部下でも4人以上相手にできないらしいじゃないか」
各地から集められた精鋭。
それは、幾らクラウンのモノたちといえど、簡単に殺すことはできなかった。
「まあ、今のところこちらに被害はないのですから。良いではないですか」




