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悪役令嬢、喧嘩に巻き込まれる
金曜日のおはよう。
「何よ!痛いわねぇ!!」
パシンッ!!
「あっ!やったわねぇ!!!」
パシンパシンッ!と、連続で聞こえる平手打ちの音。
エリーたちがそちらを見てみると、そこでは令嬢同士の喧嘩が行われていた。
エリーが父親の方も見ると、父親は目配せをしてきた。
どうやら、エリーに喧嘩を止めろと言うことらしい。
ーー面倒くさいわね。
そう思いながらも、エリーは令嬢たちに近づいていく。
「お二人とも、その辺りでおやめ下さい。折角のめでたい日を、このようなムダなことをして過ごしたくはないでしょう?」
エリーが言うと、令嬢2人はそろって睨み付けてくる。
そして、
「何かしら?公爵家様には関係のないはなしですわ。まさか、我が家のことに首をつっこんで来るおつもりですか?」
「そうですわ。幾らハアピ家様に恩があるとしても、家のことに干渉しないで下さいまし」
ーーいや。2人で連携しないでよ。
先ほどまでの喧嘩は何だったのかというような、見事な連携にエリーは頭を抱えたくなる。




