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悪役令嬢、この1年の成果
「「「うわああぁぁぁ!!!!!」」」
部下たちが叫びながらエリーに迫る。
去年もそうだったが、ここまで早く幹部クラスがやられるとは思っていなかったのだ。
だが、それでも去年の経験がある。
ここで止まれば、的にしかならないと言うことも理解していた。
「ふむ。少しは成長したようだな。では、我も少し力を見せるとしよう」
エリーは感心したように部下を褒めた。
それから、懐に手を入れ、指輪を取り出してはめた。
「な、何だ!?」
「クラウン様の手が紫に!絶対危ないって!!」
「でも、逃げてもむ、ギャアァァァ!!!????」
「うるさいぞ。本番なら殺されている」
エリーはそう言いながら、紫の霧を生み出す腕で部下たちを殴り飛ばしていった。
この腕に掛かる霧は、指輪が関係している。
指輪の効果は、はめたモノの魔力をかき乱し、装備者を体内から破裂させるという非常に危険なもの。
完全な呪われた装備であった。
だが、それでもエリーが平然としていられるのは、
ーー『呪纏』。便利なスキルよねぇ。




