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悪役令嬢、あれ?使えないはずなのに
「はぁぁ!!!」
ファーストに巻き込まれなかったケモ耳少女、サードが後ろから襲ってくる。
エリーは振り向くように体を回転させながら、それに合わせて蹴りを放つ。
が、すでに一撃必殺の効果は切れている。
だから、そこまでの効果はない。
はずだった。
「ぐほっ!?」
サードは体をくの字に曲げながら、後方に吹き飛ばされた。
とは言っても先ほどの2人ほどではなく、3メートルほど下がっただけ。
だとしても、ここまでの威力が出るとは思っていなかったので、エリーは驚く。
なぜ、サードを吹き飛ばすことができたのか。
ーーん?もしかして!?
エリーは、前回戦った後に起きた事件を思い出した。
それが、第2王子アロークスの誘拐事件。
あの件で、クラウンという存在が王などにも知られるようになった。
ーー知られたから犯罪者として認識され、断罪者とか死刑執行人とかの効果も出るようになったってこと?
犯罪者に対して攻撃力が増加するスキル。
それが効果を発揮したのだ。




