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悪役令嬢、これが男の友情?
カンッ!……カランカランカラン。
1本の剣が宙を舞い、地面に転がる。
剣の落ちなかった方の剣は、相手の首筋を捕らえた。
ここで、2人は笑い合い、
「降参だ」
ターリルが負けを認めた。
やはり、バリアルの方が少し強かったのだ。
「また、戦おう」
「ああ。良い試合だったよ」
2人が固い握手を行う。
その顔には疲れているにもかかわらず、笑みが浮かんでいた。
ーーえ?戦って笑顔ってどういう事?もしかして、バリアルも戦闘狂だったり!?
エリーはそれを見て顔をしかめた。
「ん?エリー?」
その様子を見たクイフが、不思議そうにエリーを見てくる。
エリーは慌てて首を振った。
「い、いえ。少し私との力の差を感じて、頑張らなければと思っただけですわ」




